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「 アスラン×双子 ② 」
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キラカガ、入れ替わり話。

完結しました。








キラは指定された中庭でカガリに思いを寄せる生徒を待っていた。

(絶対うまく断るからね、お兄ちゃんに任せて、カガリ・・)

ぐっと拳を握ってまだかまだかと待っていた。

カサッと草を踏む音が聞こえて、キラは振り向く。


「カガリ先輩・・・」

校舎の陰から出てきたのは、年下の女子生徒でキラは目を丸くする。

「来てくれたんですね。嬉しいっ!」

驚いて固まっているキラに女子生徒は抱きついた。

カガリの柔らかい体に女の子の体の感触が伝わってきて、キラは顔を赤くさせた。

(カガリィ・・ 女の子にまで告白されてるなんて・・・)

泣きたくなるのを押さえて、キラはゆっくりと首に回された腕を離す。

相手が女の子だと知ってびっくりしたが、受け入れることはもちろんできない。

キラが得意とするスマイルで優しく女子生徒に告げた。

「ごめんな。気持ちは嬉しいんだが、やっぱりわたしは女だから・・・」

「そんなの分かってます!カガリおねーさまっ!・・・」

女だから、と言えば諦めてくれると思ったのに、女子生徒はまったく気にしてないようでまた抱きついてきた。

(うわぁ!!どう言ったら諦めてくれるんだろ?!)


さすがのキラもなかなかいい言葉が浮かばずに、カガリの姿で抱きしめられながらしばらく中庭にいるしかなかった。




************


〝ラクスを送って帰るよ〟

カガリはキラにメールを送った。

昼休みにアスランの気持ちが聞けてすっきりしていた。

協力してくれたキラのためにも、キラの彼女のラクスをしっかりと送って行こうと気合いを入れた。

「今日のキラはなんだか嬉しそうですわ。」

「え、そう・・?」

横を歩くラクスはにっこりとカガリに微笑む。

穏やかに笑うラクスは気品があって、女のカガリから見てもかわいいと思う。

(わたしもこんなふうに可愛かったらな・・・)

ラクスくらい可愛くて自分に自信があれば、今回のように落ち込むこともなかったかもしれない。

兄の彼女を羨ましく思った。



無事にラクスの家の前まで来たので、カガリはじゃあ、と帰ろうとした。

「キラ、今日はしてくださらないのですか・・?」

「え・・・」

なんのことだろう、とカガリが思っていると、ラクスがそっと目を閉じた。

(な・・ これってキスしろってことじゃ・・ キラいつもこんなことしてるのか?!)

目を閉じたラクスを待たせるのも悪い気がして、カガリはそっと額に口付けた。

キラがよく自分にしてくれるように・・・



「今日はおでこですのね。」

にっこりと言うラクスの言葉がよく理解できない。

今日は、おでこ・・・・



カガリは家に向かうまでぐるぐるとラクスの言葉が頭の中を巡っていた。

キラとラクスは付き合ってもう一年経っている。

キスをしていてもおかしくなない関係だけれど・・・

かあっと赤くなってカガリは家へと急いだ。



********


「あ、アスラン・・・」

ようやく女子生徒から解放されたキラが家に戻ると、帰ってきたアスランとちょうど顔を合わせた。

「カガリ・・ ちょっといいか?」

「え、あ、うん・・」

アスランとカガリに何があったのか知らないけれど、今はカガリなのだから嫌とは言えない。

キラはアスランの部屋におとなしく着いていった。

いつものように、ベットに腰を落とした。
するとスカートが太ももまであがってきわどい姿になった。

アスランがそれを見て、さっと顔を反らした。


慌てて足を閉じて直す。

(今はカガリなんだから・・ 気をつけないと・・)


「この前は・・ごめん・・」

(えっと・・ なんのことだろう・・・)

カガリの態度からして何かがあったのは分かったが、詳しくは聞いていない。

軽はずみに、うん。とも言えずにキラは黙ってアスランの言うことに耳を傾けた。

「いきなり・・あんな・・すまないと思ってる・・」

(いきなり・・? あんな・・?)


「カガリのこと大切に想ってるのに・・ あんなことして・・」



(とりあえず、許してあげた方がいいのかな・・)

「いいんだ。アスラン、わたし怒ってない。」

にっこりとキラは笑った。
いつも自分が女子生徒に振りまく笑顔をアスランに送った。


それを見たアスランは惚けている。


「・・・カガリ・・」


ゆっくりとカガリの体が押し倒されて、アスランの体重が移る。

あまりにも急なことでキラは言葉を失った。


ベットに押し倒されたカガリに、アスランの顔が近づく・・・



「アスラン!!やめてよね!!」

「えっ・・」

「もう絶~対、カガリに触れないでよねっ!!」

キラはそう言い放つと、急いでアスランの部屋を飛び出した。


(何かあったって・・・ アスランがカガリを襲ったってこと??!!)


カガリのかわいさにアスランが我を失って襲ったなんて、いかにもありそうなことで・・・

キラはこれからはアスランにも目を光らせないといけないと思った。




一方、部屋でアスランはショックのあまり立ちすくんでいた。

(なんだ・・今日は? )

屋上でキラに泣かれて抱きつかれて・・・

カガリに謝ろうと思ったのに拒否されて・・・








「お帰り。キラ、遅かったな・・」

「カガリ、帰ってたんだ・・・。」

キラとカガリ、お互いに目を合わせて考えた。


(ラクスとは・・その・・キス・・してるのか、聞いてみようか・・)


(今アスランと会ったことは言わない方がいいかな。その方がアスランも近づかないと思うし・・・)


「何かあったか・・?」

「ううん、何も無かったよ。カガリは?」

「あ、うん。ちゃんと・・アスランの気持ち聞けた。ありがとな、キラ・・・」

「ん、じゃあ、良かった。戻ろうか?」

「うん。」





*********




「アスランが熱?!」

夕方、帰ってきたカガリはレノアに聞いて驚いた。

アスランが学校に来てなくておかしいと思ったけど、まさか熱を出していたなんて思わなくて・・・

昨日は元気だったのに・・

心配になってカガリはすぐさまアスランの家に上がる。

「おじゃまします!」


昔と何も変わらない階段をあがって奥にあるアスランの部屋のドアを静かに開けた。


「アスラン・・・?」

ベットに横になっているアスランは眠っているようで、返事はない。

そっと近づいて床にひざをつく。

すぐそばにあるアスランの顔・・

眠っているアスランの顔にかかった髪を払うとさらさらと落ちた。

(最近はこんな近くで見たことがなかったな・・・)






カガリは昨日アスランが屋上で言ってくれたことを思い出していた。

『カガリからは何も・・・』


(そういえば、わたしアスランにちゃんと言ったことなかったよな・・・)


くすっと笑ってカガリは眠っているアスランにゆっくりと伝えた。


「好きだよ、アスラン・・・」










キラは学校で変な視線を浴びていた。

いつもキャーキャー騒ぐ生徒が、今日はキラを見るとひそひそと小声で何か話している。

キラには思い当たることがなく、なんだろうと、すっきりしない一日を過ごした。


そして、放課後、一緒に帰ろうとラクスを迎えに行って、衝撃を受けた。


「あなたとアスランが、抱き合っていたと皆さん言ってますけど・・・」

「は・・・?」

「ですから、キラとアスランがそういう仲だと学校中の噂になってますわ。」

「ええええ!!」


ラクスからも疑いの視線を浴びて、キラは泣きたくなった。

もう当分、入れ替わるのはやめよう・・

そう思った。












END








うわぁ、すごく楽しかったです、これ。
ノリノリで書けました。

小説って言うか、ものがたり??

キラカガ好きな方には許してもらえるお話だと思います。

ここ、アスカガサイト・・・


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キーワード:双子♪




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