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「 ソウシソウアイ (後編) 」
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アスカガはいつだって相思相愛です♪






カガリの体を味わいながら、アスランは奇妙な感じを覚えていた。
カガリが、いつもと違う。
漠然だがそう感じた。顔も声も体もカガリに間違いはないのだが、アスランの愛撫に対する反応がどこか違っていたし、腰の辺りが少しふっくらとしていて触りながら戸惑いを感じた。
「アスラン・・・?」
繋がったまま見下ろすようにカガリを見つめると不思議に思ったのかカガリが不安げに訊いてくる。
「ん・・何でもない。」
「そうか?!なんかアスラン今日、変だ・・。」
「・変・・・?」
カガリはアスランから視線を外して恥ずかしそうに言葉を紡いだ。
「なんていうか・・ いつもより・・丁寧っていうか・・その・」
「丁寧って・・・」
「それにおまえ、少し痩せただろ・・ちゃんと食べてるのか?」
「カガリは・・・」
太ったんじゃないか・・?、そう言おうとしたアスランは慌てて口を閉じた。
少し前、久しぶりに会ったカガリにそう言って何故かすごく怒られたからだ。女性にそういうことを言うのは失礼だとその時に初めて学んだ。
別にカガリが多少太っても気にならない。むしろ多忙な政務をこなすためにはもう少し太ったほうがいいと思っていた。
それでもこの場で、カガリがまた機嫌を損ねてしまうのは避けたかった。

「わたしが・・なんだ・?」
「そ、その・・ そう、反応が・・・」
アスランは舌を胸の突起物に当て刺激を与える。
あ、とカガリが吐息を漏らした。
アスランは胸を弄りながら上目遣いでカガリを見る。
「ほら・・ 何か違う・・」
そして更なる反応を試そうとアスランは結合部の少し上に指を進ませた。ぷっくりと膨らんだカガリの蕾を弄ると、喘声と甘い蜜があふれ出す。
「あんっ・・ぁっ・・ふんっ・・」
「・・・・・。」
自分の手から逃げるように体をよじるカガリ、恥ずかしそうに声をためらっているようなカガリ。
「やぁっ・・アスっ・・」
びくびくと体を震わせて今にも達してしまいそうなカガリにどこか初々しさを感じた。
アスランは指を動かしながら、疑問を口にした。
「カガリ・・ いつもより感度がいいんじゃないか。」
「んぁっ・・アスランは・・いつもより意地悪だ・・」
「意地悪・・?」
意外なカガリの言葉にアスランはまた動きを止めた。
「ん・・。だっていつもはこんな風に途中で止めない・・ 焦らして・・るのか・・?」
焦らしている訳じゃない。カガリが愛しくて少しでも長く繋がっていたいと思うから、独りよがりな動きを抑えているだけ。
会えない時間を埋めるように深く愛したいと思うと自然とそうなる。
カガリも最中に腕を伸ばして抱擁を求めてくるから、満足してくれてると思っていた。
「焦らしている訳じゃないが・・」
「じゃあ・・」
アスランを包むカガリがきゅっと締まった。アスランは思わず顔を歪める。吐精に向かおうとする自身をなんとか抑えているのに、カガリにそんなことをされてはたまらない。
「カガリが誘ってきたんだからな・・」
「んっ・・あああぁつ・あんっあああんっ」
突然、獣のように腰を打ちつけ始めたアスランにカガリはあっという間に意識を飛ばされた。白濁する意識の中でカガリはあることを思い出した。
(・・そういえば・・アスランなんでここにいるんだ・・?夢・・?)





カガリが意識を失うのは久しぶりだと思った。昔はよく溢れる欲に身を任せてカガリを攻めた。そのたびにカガリが達しながら気を失って、目覚めるまで抱きしめた。
(懐かしいな・・・)
アスランは自分に体を預けて眠るカガリを愛おしく思う。
艶やかな金髪を撫でながら、後ろから軽く口づけを落とす。
その時、あることに気づいた。
(カガリ・・髪を切ったのか・・?)
肩下まであるはずのカガリの髪を一掴みしてすっと指を通すと、すぐにはらはらと髪が落ちる。どう見てもカガリの髪は肩に触れるか触れないかくらいしかなかった。
先日、スカンジナビアを訪問するカガリの姿を報道で見たときは、確かにまだ髪は長かった。空港に降り立つカガリの髪が風になびいていたのをはっきりと覚えている。

そしてアスランはもっと重要なことを思い出す。
カガリは今、友好国を巡っているはずで・・・
ここ、アスハ邸にいるはずがないのだ。

(どういうことだ・・・?)
アスランは慌てて部屋を見渡した。カーテンの隙間から入ってくる光は朝焼けで、部屋をだんだんと照らしていく。
夜に気づいた点は、テーブルの上の端末と、壁に掛けられた写真だった。
アスランは壁に視線を移すと、あるものを見て固まった。
(CE74・・の4月・・?)
そんなはずはないと目を懲らしても、暦の数字が変わることはなかった。
(そんな・・ じゃあカガリは・・)
いまだ眠っているカガリはどこか幼さを感じる。情事中に感じた違和感は、間違いではなかったとアスランは確信した。
(ここは・・3年前のオーブなのか・・?)
昇る朝日は部屋に容赦なく忍び込んでくる。アスランがその光に顔を背けると光の中でアスランの体がすっと消えた。
アスランを支えにしていたカガリはゆっくりとベットに倒れ込んだ―・・・。


************




「・・・ランッ」
誰かが自分を呼んでいる。まどろみの中でアスランは叫び声をなぜか心地よく感じていた。
「・・・アスランっ!」
ゆさゆさと体を揺り動かされてようやくアスランは目を開けた。

「・・・・カ・・ガリ・・?」
霞む視界が開けるのを待つと、施政服に身を包んだカガリがいた。
「・・やっと起きたぁ・・はぁ・・」
へなへなと座り込むカガリ。アスランはゆっくりと身を起こした。
「おまえ、一体何時間寝てたんだ・・?」
「は・・・?」
アスランは自分の居場所を確認した。自室のソファの上で眠っていた・・ようだ。
床に座り込んだカガリは少し涙目でじっとアスランを見てる。
「・・おまえ、空港にも姿を見せないし、軍にも出てきてないって・・。」
「あ・・ごめん。」
カガリがオーブに帰ってくるときは空港に迎えに行くと約束していた。もちろん軍人として代表を迎えに行く集団に名を連ねていただけだが。
「カガリ・・帰ってきたんだな。」
「何言ってるんだよ・・ わたしは心配したんだからな。なかなか起きないから死んでるんじゃないかって・・」
再び瞳を潤ませ始めるカガリ。アスランは慌ててカガリを自分の胸に引き寄せた。
頭をなでるとカガリはどうにか泣きやんだ。
「ごめん・・本当に・・」
「うん・・もういいよ。アスランが無事だったから・・それにしてもどうしたんだ?おまえがこんなに眠るなんて・・」
カガリが不思議に思うのももっともだ。アスランは普段それほど睡眠を必要としない。
「いや、眠っていた覚えはないんだが・・」
「じゃあ、何してたんだ??」
アスランの答えにカガリは怪訝な表情になる。しかし、アスランはカガリの表情よりも肩にかかっている髪に視線を留めた。
「髪、長いな・・」
「・・・アスラン。ほんとに大丈夫か?」
「・・カガリ、3年前の春、何かなかったか・・?」
「3年前・・?!」
唐突なアスランの質問にカガリは首を傾げた。
「・・俺がいない間に何かなかったか・・?」
「アスランがいない時って・・あ、視察に行った時か。」
しばらくカガリは、んーと考えていた。そして、あ、と小さな声を上げると気まずそうにアスランをちらりと見た。
「えと・・その・・夢を見た。」
「夢?」
「うん・・アスランの夢・・・」
「どんな?」
アスランの問いにカガリは顔の前で両手を振った。それは言えない、と言わんばかりに・・・
「俺に言えないような夢、だったのか?」
「う・・ うん・・」
カガリは顔を伏せた。
今でもはっきりと覚えている。アスランに会いたいと想いながら見た夢・・
少し意地悪な大人びたアスランと一緒に寝た夢。
あんな夢を見た自分を恥ずかしく思ったけれど、驚いたのは起きて鏡を見たときだった。
あり得ない、と思った。
首筋と胸元の2カ所にくっきりと紅い痕が浮かびあがっていたのだ。
それは夢の中でアスランに強くキスをされた場所で・・。
痕が消えるまでカガリはハイネックの服ばかり着て、アスランに見られないように努めた。
それが3年前の春の出来事だった。

うつむいたカガリがだんだんと真っ赤になっていく様子をアスランは笑みをこぼしながら見ていた。
「カガリ・・ 俺も夢を見ていたんだ。」
優しく名を呼ばれてカガリはふいに顔を上げた。
「今よりも髪が短くて、少し・・ぽっちゃりとしたカガリと会った。」
「・・は?」
「カガリの反応がすごく可愛かった。懐かしくて・・。そんなつもりはないのに、焦らしてる、とか言われて・・」
アスランの言葉にカガリは唖然とした。そんなカガリを見てアスランは楽しそうに笑うと言葉を続けた。
「カガリの・・ここと、この辺りに濃い痕をつけた・・」
アスランの指が施政服の上からカガリの首筋と胸元をなぞる。
「自分に嫉妬してたみたいだ・・」
独り言のようにそう言い、アスランは苦笑してカガリに触れるだけの優しいキスをした。
「わたしは・・よく分からないんだけど・・」
アスランがどうしてカガリの夢のことを知っているのか分からない。しかも知らないはずのキスマークの場所まで知っている・・・。

戸惑うカガリをよそにアスランはカガリの上着を脱がせようと手を伸ばしている。
「ちょっ、アスランっ」
「疲れてるか、カガリ」
「疲れてはいないけど、何がなんだか分からないぞ・・」
「じゃあ、いいな。」
「良くないっ!おまえっ、今日変だぞっ!!」
「変って・・さっきもカガリに言われた・・」
「何言ってんっ・・ぅんんっ」

様子がおかしいアスランに戸惑いながらも、激しく重ねられた口唇にカガリは身をゆだねた。
アスランに触れられると安堵が心に広がる。
幸せそうな表情を浮かべるカガリにアスランは何度もキスを送る。

妙な嫉妬心から解き放たれたアスランは何度もカガリを求めた。久しぶりにアスランの激しい攻めを受けてカガリは何度か気を失った。
そんなカガリを抱きしめてアスランは言葉にできない至福の時を過ごした。


  
 カガリ・・・



 いつまでも


 君を想うよ。

  
 君だけを・・・







END











未来のアスラン(21、22歳)が嫉妬した相手は、実は自分だった・・
という話です。

複雑ですね、はは。

想士さまに捧げますが、異常に長いのでお持ち帰りはされなくてもOKです。
愛を込めて書きましたけど、気に入ってくださるかは自信ないです。。。
これからも素敵なイラストお願いしますv


少しでもお気に召しましたらぽちっとお願いします。
キーワード:相思相愛

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